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食を変えれば猫も長生き?猫の健康と食について考える

食を変えれば猫も長生き?猫の健康と食について考える

ペット保険のアニコムの調査によると、猫の寿命はこの10年で、0.5歳伸びているようです。0.5歳というと大きく伸びているという感じがしないかもしれませんが、寿命の長さから人間に換算すると、3〜3.5歳分になります。この10年における日本人の平均寿命の延びが、男性で1.8歳・女性で1.2歳であることを考えると、猫の寿命はこの10年で大きく伸びていると言えます。

また、1981 ~ 82年の動物霊園のデータをもとにした 調査によると、0歳の猫の平均余命はわずか4.2歳となっています。調査方法が全く同じでないため、単純に比較することはできませんが、この数十年で猫の寿命は飛躍的に伸びているのは間違いないでしょう。

猫の寿命が伸びている理由

猫の寿命が伸びている理由として、以下が考えられています。

完全室内飼いが増えた
猫の寿命が長くなった理由として、完全室内飼いが増えたことが挙げられます。日本ペットフード協会の調査によると、外に出ない猫の寿命が15.74歳に対して、外に出る猫は12.33歳と3年以上の差があります。猫の飼い方として、近年、完全室内飼い推奨されてきたこともあり、また、飼い主も完全室内飼いの有効性を認識し、実践している人が増えていることが、猫の寿命を延ばしている要因の1つといえます。

キャットフードの質の向上
過去には、猫にはご飯にかつおぶしをかけた、いわるゆ、ねこまんまを与えられていた時代もありました。キャットフードは、この数十年の間にメーカーの研究も進み、格段にバランスのよいものになっています。当然、食の質の向上は猫の寿命を延ばしています。

その他には、ワクチン接種に対する意識の高まりなどもありますが、猫の寿命に影響を与えている2大要素は、猫を飼う環境と、食の質の向上だと考えられます。

手作りキャットフードでさらに長生き?

猫にとって重要な食事。多くの人は、キャットフードを与えていると思いますが、手作りごはんで、さらに猫の食のバランスを整えることで、猫の健康を促進しようというコンセプトの元に執筆されたのが、『獣医師が考案した長生き猫ごはん』です。

長生き猫ごはん

昨年、ペット本のジャンルでベストセラーとなった『獣医師が考案した長生き犬ごはん』。発売から一年あまりで4刷重版になるなど、現在も人気を博していますが、同じ著者が長生きご飯の猫版である、『獣医師が考案した長生き猫ごはん』を発売しました。
「長生き犬ごはん」同様、往診専門動物病院「chicoどうぶつ診療所」を開設し、獣医保健ソーシャルワーク協会にも所属している、林美彩 獣医師。監修として、犬猫養生Harmonyを主催し、中山動物病院(茅ヶ崎市)非常勤獣医師であり、獣医保健ソーシャルワーク協会所属の古山範子 獣医師という、手作り食のスペシャリストである、獣医師2名が手掛けています。
また、表紙は保護猫カフェ「鎌倉ねこの間」さんの猫さんたちで飾られています。

<目次>
Part1 季節のレシピと猫ごはんの基本
Part2 ニャンコの食事・健康Q&A
Part3 愛猫のための手作りごはん体験記
Part4 ニャンコと私のおすそわけレシピ

しかし、雑食の犬と比べて、食に対する好き嫌いが激しい猫は、手作りフードを与えるのはハードルが高いと言われています。いつも食べているキャットフードでさえ、ちょっと気に入らないことがあると、急に食べなくなったりします。しかし、本書ではそのような猫の習性を考慮し、段階を踏んで手作り食を食べさせていく方法、「Hop・Step・Jump」方式を取り入れています。食は続けてこそ意味があるもの。飼い主面倒になって途中で止めてしまわないように、気軽に読める構成になっています。

長生き猫ごはん

Hop・Step・Jump方式は長く続けることを前提に、段階を踏んで手作り食に慣れさせる方法です。Hop期間では、今までの食べ慣れたフードに手作りフードに少しトッピング、Step期では、徐々にいままでのフード量を減らし、手作りフードを増やす期間、そして、Step期をクリアできれば、全てを手作りフードにするJump期間へと段階的に手作りフードへ替えてゆく方法です。
しかし、1週間でJumpまでいく子もいれば、1か月〜半年かかる子もいるとのこと。少しずつ猫の体調・気分を見ながら、ゆっくり食事を替えていくことになります。

手作り食のほうがよいの?

猫の長生きごはん

また、本書では「ドライフードやウェットフードより手作り食のほうがいいですか?」という問いに対して、どらにもメリットとデメリットがあると回答しています。
ドライフードやウェットフードは、手軽で便利で時間がかかりません。猫にとっても食事を待つ時間が短くなるので、イライラせずに済みます。一方、手作りフードは、自然な水分補給やよりバランスをより保ったフードをあたえることができますが、必要カロリーを摂ろうとすると量が多めになってしまうことや、調理に時間がかかります。
当たり前ですが、何より猫が喜んでご飯を食べて、健康でいてくれることが大事なので、手作りフードに替えるとしても、全てを手作りに替えるのではなく、1日1食だけ、あるいは、少しだけトッピング用になど、猫にとっても飼い主にとっても無理なく負担にならないことを優先しましょう、としています。

どんなメニューがあるの?

さて、気になる手作りフードのメニューです。
長生きねこごはん「鶏肉で寒い冬もパワー全開!」と題されたこのメニュー。食材としては、鶏もも肉、鶏ハツをメインに、人参、かぶ、かぶの葉といった野菜や、ごはんや亜麻仁油なども使います。調味料が入っていないことを除けば、そのまま飼い主も食べられそうなメニューです。そう、手作りフードの最大の魅力は、人間と同じものを一緒に猫も食べられるということではないでしょうか。愛情がもったフードを愛するねこちゃんが美味しそうに食べてくれれば、飼い主も猫も幸せですね。(食を通した愛情を猫が理解してくれるかどうか微妙ですが。。)

書籍情報

『獣医師が考案した長生き猫ごはん』
著者:林 美彩(獣医師)
監修:古山範子(獣医師)
発売日:2020年11月13日(金)
定価:1,500円+税
発行:株式会社世界⽂化社




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