猫好きのあなたなら、こんな思い出もあるのではないだろうか。
子供のときに、道端で出会った子猫。そして拾ってきた猫。おばあちゃんの家にいた、年老いた猫との思い出。
猫の保護者としてではなく、友達として接していたあの頃。
この本はそんな頃の猫に対する気持ちを思い出せせてくれる1冊です。
本作は、人気作家・村山早紀の書き下ろし作品を含む4つの短編に、人気イラストレーター・げみのやさしいイラストが彩る、美しい1冊です。オールカラー・全イラスト描き下ろしで、心暖まる短編小説と美しいイラストが楽しめます。そして収録作の4つ短編は、全て猫にまつわる話のみ。ぜひ猫好きの人に手にとってもらいたい作品となっています。
収録作品
「七日間のスノウ」
小学生の真実ちゃんは、公園で真っ白な子猫を拾い、秘密の隠れ家で育てようとするのだけれど……。
「五千年ぶんの夜」
引っ越してきたばかりの街。わたしは出会ったばかりの猫と一緒に、人間と猫の歴史を調べはじめた。
「春の約束」
みいこは、久しぶりに訪れたおばあちゃんの家で、あるお話を聞きます。それは、昔この家に遊びに来ていたという猫のお話でした。
「約束の猫」
頭に星の形の黒いぶちがある「星子」という名前の猫と、大切な「お父さん」の物語。
4つの猫の美しい物語と、物語を彩る懐かしくそして少し切ない気持ちにさせてくれるイラストが、物語の美しさを一層高めています。
猫の小さな命への愛と、その命が人に注ぐ愛に溢れた物語。読み終わった後、思わず自分の猫に語りかけ、そして顔を埋めたくなること間違いありません。
書誌情報
著者:村山早紀+げみ
定価:(本体1,500円+税)